転調と五度圏の活用

作曲
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今回は転調についてお伝えします。
転調は必須ではありませんが、いつもとは違う形で曲を展開させたりすることが出来ます。

転調の使いどころ

転調とは、曲の途中でキー(調)を変えることです。たとえば、最初の部分はCメジャーで始まり、途中でGメジャーに変わるといった例があります。

それでは、なぜ転調が曲作りに役立つのでしょうか。その理由はいくつかありますが、以下に主なものを挙げてみます。

  1. 多彩な感情表現:転調することで曲全体の雰囲気をガラリと変えることができ、聞き手に新たな驚きや刺激を提供します。たとえば、CメジャーからGメジャーに転調すると、一瞬で曲の雰囲気が明るくなるかもしれません。
  2. 曲の構造を豊かに:同じキーで演奏される曲よりも、転調をうまく用いた曲の方が聞き手にとっては変化があって面白いものになります。同じキーでずっと演奏されると単調に感じられ、聞き手の興味を失うこともあります。
  3. 曲作りの新たな発見:複数の曲の断片があるけれど、それぞれのキーが違う場合、転調をうまく使えば一つの曲としてまとめることが可能になります。

転調を用いるタイミングはさまざまです。曲の中で気分を変えたいとき、新たな展開を作りたいとき、途中で雰囲気を変えたいときなど、あなたの曲が求めている変化を感じ取り、そこに転調を取り入れることで、曲は一段と深みと広がりを持つことでしょう。

五度圏の活用

転調する方法はいくつかありますが、特に五度の関係を使うのが一般的です。
五度の関係を示した「五度圏」という図形を使うことで、スムーズな転調が可能になります。

五度圏については以下のサイトで分かりやすく解説されています。

五度圏の使い方【わかりやすい音楽理論】

#のつく順番は「ファドソレラミシ」です。この順番を覚えれば他も大体頭に入ります。口に出して覚えましょう。

主キーに対して+5度を属調(G)、-4度を下属調といいます。この2つは転調しやすいです。しやすいだけで、他の調には転調できないわけではありません。

※平行調(Am)については、長調と短調で異なるものの使われる調号(#、♭)が同じであり、曲中でもよく切り替わるものですので、Cといっしょくたにしてあえて覚えないようにしています。

例えば、この曲はAマイナースケールの曲だ、ということはあまりありません。あわせてCメジャースケールと呼ぶようにしています。(このサイト内でも同様に扱います。)

転調の仕方

さて、ここでは転調を具体的にどのように曲作りに取り入れるか、実践的なテクニックをいくつか紹介します。

ブレイクを用いた転調

一つ目の方法は、ブレイクを利用した転調です。具体的には、曲中で一時的に全ての楽器の演奏を停止し、ドラムのみなど特定のパートだけを鳴らした後に、新たなキーで曲を再開するというものです。この手法は、聞き手に明確なキーチェンジの印象を与え、曲にダイナミックさをもたらします。パワープレイの一つともいえますね。

転調前の準備としての音の鳴らし方

二つ目のテクニックは、転調前に特定の音を鳴らす方法です。具体的には、転調後に始まるコード進行の頭の1つ下の音を鳴らすことです。例えば、転調後にⅣのコードから始まるとすると、転調前にそのⅢの音を鳴らします。これにより、聴き手は無意識のうちに新しいキーに慣れ、転調がスムーズに感じられます。穏やかな転調を行いたい時におすすめです。

Onコードを利用した転調

最後に、Onコードを用いた転調法です。これは、特定のコードの上に別の音を乗せることで、コードの音色を変化させるものです。これを転調付近で用いることで、転調が非常に自然に感じられます。新旧のキーのコードを近づけることで違和感が緩和され、転調がよりスムーズに行えます。

是非試してみてください。

最後に

これまで解説してきたように、転調は曲作りに新たな視点をもたらします。一曲を通じて同じキーで演奏するのとは一味違った、豊かな表現が可能になります。
曲作りに行き詰まった時等に役立つと嬉しいです。

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この記事を書いた人
ねぎ

普段は会社員として働きながら、10年以上作曲・DTM・演奏をしています。
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